予防拘禁・医療観察法・刑事司法関

改めて検察庁法の一部改正に反対する会長声明

日弁連HP

当連合会は、本年4月6日付けで「検事長の勤務延長に関する閣議決定の撤回を求め、国家公務員法等の一部を改正する法律案に反対する会長声明」を公表し、検察庁法改正法案を含む国家公務員法等の一部を改正する法律案に反対した。

検察庁法改正法案によれば、内閣ないし法務大臣が、第9条第3項ないし第6項、第10条第2項、第22条第2項、第3項、第5項ないし第8項に基づき、裁量で63歳の役職定年の延長、65歳以降の勤務延長を行い、検察官人事に強く介入できることとなる。

当連合会は、検察官の65歳までの定年延長や役職定年の設定自体について反対するものではないが、内閣ないし法務大臣の裁量により役職延長や勤務延長が行われることにより、不偏不党を貫いた職務遂行が求められる検察の独立性が侵害されることを強く危惧する。「準司法官」である検察官の政治的中立性が脅かされれば、憲法の基本原則である三権分立を揺るがすおそれさえあり、到底看過できない。少なくとも当該法案部分は削除されるべきである。

しかしながら、政府及び与党は、誠に遺憾なことに、検察庁法改正法案を国家公務員法改正との一括法案とした上で衆議院内閣委員会に付託し、法務委員会との連合審査とすることすらなく、性急に審議を進めようとしている。5月7日に開催された内閣委員会理事懇談会の結果からすると、まさに近日中に開催予定の内閣委員会において本法案の採決にまで至る可能性もある。そもそも、検察庁法の改正に緊急性など全くない。今般の新型インフルエンザ等対策特別措置法上の緊急事態宣言が継続する中、かくも重大な問題性を孕んだ本法案について、わずか数時間の議論だけで成立を急ぐ理由など皆無である。

当連合会は、改めて当該法案部分に反対するとともに、拙速な審議を行うことに強く抗議する。

 2020年(令和2年)5月11日
日本弁護士連合会
会長 荒   中

刑事収容施設における感染拡大の防止を求める会長声明

日本弁護士連合会

令和2年4月7日、日本政府により、新型コロナウイルス感染症を対象とする新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、7都府県を対象とする緊急事態宣言が発令され、同月16日、その対象地域が全国に拡大された。新型コロナウイルス感染症は、全国で蔓延する状況が見られる。

刑事収容施設(刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設)は、一般的に窓が少なく、また、狭い空間内に多数の者を所在させざるを得ない場合が多いことから、恒常的に、いわゆる「3密」(密閉空間、密集場所、密接場面)を避けることが困難な状態にある。

このような刑事収容施設に新型コロナウイルス感染者が現れた場合、施設内において集団的な感染を招く危険性が高く、多数の被収容者、被留置者及び海上保安被留置者(以下「被収容者等」という。)に健康上重大な被害を引き起こしかねない。

新型コロナウイルス感染者の中には、無症状又は極めて軽い症状を呈するにとどまる者も多く、刑事収容施設における集団的な感染を防止するためには、感染者が重症化し、PCR検査により陽性の判定を受けてから対応するのでは、手遅れである。

刑事収容施設内でゾーニングや消毒の徹底等の措置が講じられるとしても、実際には、マスクも支給しないまま、数名を同室に収容している施設もある。また、そのような措置だけで集団的な感染を防止するのに十分でないことは、刑事収容施設での感染例が増えていることのほか、多くの医療施設での院内感染の例からも明らかである。集団的な感染を防止するためには、刑事収容施設内での「3密」を可能な限り低減することが急務であり、そのためには、現状の刑事収容施設の収容能力に照らせば、被収容者等の人数を抑えることが必要である。

以上の点を踏まえ、法務省、検察庁、海上保安庁及び各都道府県警察本部に対し、次の3点を求める。

1 身体の拘束により被疑者が受ける健康上の不利益(生命身体の危険)が著しく増大していることを考慮して、事案ごとに逮捕・勾留の必要性を厳格に吟味し、可能な限り、逮捕・勾留を回避したり、既に逮捕・勾留されている被疑者を釈放したりする等して、在宅での捜査を行うこと。

2 刑事収容施設内での感染拡大防止のため、可能な限り1人1室で処遇し、 刑務官及び留置担当官等との近接を最小限にし、消毒や換気を徹底するなど、最大限の防止策を講じること。

3 被収容者等に新型コロナウイルス感染が疑われる症状が現れた場合には、速やかに医療機関で受診させるなどして、生命身体の安全の確保と感染拡大防止のための最大限の措置を講じること。


 2020年(令和2年)4月23日
日本弁護士連合会
会長 荒   中

「湖東事件」再審無罪判決に関する会長声明

日本弁護士連合会

本日、大津地方裁判所は、いわゆる「湖東事件」について、西山美香氏に対して、再審無罪判決を言い渡した。 本件は、2003年(平成15年)5月22日、滋賀県愛知郡湖東町(当時)所在の病院に看護助手として勤務していた西山氏が、同病院に重篤な症状で入院していた患者に装着された人工呼吸器のチューブを引き抜き、急性低酸素状態により死亡させて殺害したとされた事件である。西山氏は、捜査段階で自白し、公判では否認に転じたものの、一審の大津地方裁判所は懲役12年の有罪判決を言い渡した。その後控訴、上告がなされたが、2007年(平成19年)5月21日に、一審の有罪判決が確定した。 西山氏は、再審請求手続で、患者の死因や自白の信用性を争い、2017年(平成29年)12月20日、大阪高等裁判所は、新旧証拠の総合評価を行い、患者が自然死した合理的疑いが生じたとして、本件の再審開始を決定した。昨年3月18日、最高裁判所第二小法廷も検察官の特別抗告を棄却し、今回の再審公判が開かれた。再審公判手続では、人工呼吸器の管内での痰の詰まりにより患者が心臓停止した可能性もあるとする解剖医の所見が記載された捜査報告書などが新たに開示された。 今回の判決は、患者が人工呼吸器の管の外れに基づく酸素供給欠乏により死亡したと認めるに足りる証拠はなく、かえって、患者が低カリウム血症による致死性不整脈等、上記以外の原因で死亡した具体的な可能性があるとし、事件性を認めるに足りないとした。そして、西山氏の自白についても、信用性に疑いがあるのみならず、防御権の侵害や不当な捜査手続によって誘発された疑いが強く、任意性にも疑いがあるとし、証拠排除した。このように、今回の判決は、確定審における判断の誤りを明確に指摘したものであって、当連合会としてもこれを評価する。 他方、検察官は、再審公判において、当初は西山氏の有罪を主張立証する方針を示し、後に新たな有罪立証を断念したものの、無罪判決を求めるわけでもなく、「取調済みの証拠に基づき、適切な判断を求める」とだけ述べて、従前の主張にいたずらに固執しているようにも見受けられる。このような検察官の態度は、公益の代表者としてふさわしいとは言い難い。 本件は、いわゆる供述弱者に対する取調べの在り方、捜査機関による証拠隠し、科学的知見の軽視や自白の偏重など、我が国の刑事司法制度が抱える構造的な問題点を改めて浮き彫りにした。当連合会は、西山氏のようなえん罪被害を救済し、えん罪を防止するため、取調べ全過程の可視化、取調べの弁護人立会い、全面的証拠開示、再審開始決定に対する検察官の不服申立て禁止をはじめとした制度改革の実現を目指して、全力を尽くす決意である。  
2020年(令和2年)3月31日 
日本弁護士連合会 
会長 菊地 裕太郎

星野文昭の墓 建立にご協力を

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医療観察法を廃止しよう!全国集会2019.11月

医療観察法医療観察法を廃止しよう!全国集会

伊藤哲寛さん(元北海道立精神保健福祉センター所長)は、厚労省の医療観察法体制に関する懇談会の現状認識やその問題点について述べ、そこでの議論に対象者の視点が全くなく、医療観察法入院病棟での治療が一般精神医療よりも優れているという前提でなされていることなどの問題点を挙げました。その上で、札幌刑務所敷地内への医療観察法病棟建設の問題点を指摘しました。公益性の高い事業で社会貢献を行うという北海道大学の主張の危険性を、伊藤さんは北海道における優生保護法下での強制不妊手術を例に批判しました。当時は公益性の名目で強制不妊手術が行われていたのです。そして北海道では、精神分裂病(当時)の人が他の障害者よりも圧倒的に多く手術を受させられたことを、当時の文献で指摘しました。

2014年の集会で講演した足立修一弁護士は、その問題に関する日弁連の意見書や、それに対する北海道弁護士会や札幌弁護士会の意見書について報告しました。

池原毅和弁護士は国連障害者権利委員会の動向について話しました。権利委員会から日本政府への事前質問は成年後見制度、医療観察法、強制医療の廃止を前提としており、どんな手順でそれを実行するのかを求めているにもかかわらず、上記の医療観察法体制に関する懇談会にみるように日本政府の姿勢はその真逆であることを指摘しました。

今回は医療観察法で入院処遇を受けた当事者の方が参加して初めて発言しました。きっとまだまだ多くのことを語りたかったのではないでしょうか。多くの参加者の前でご自分の体験を話してくれたことに感謝です。

交流会では、優性保護法強制不妊手術問題が議論になりました。医師の岡田靖雄さん、伊藤哲寛さんが医学会の動向について、2名の弁護士が弁護士会の動向について語りました。障害福祉の領域でも強制不妊手術問題は各団体任せとなっている現状があります。全日本育成会は検証結果を公表しましたが、日本知的障害者福祉協会や日本精神遅滞教育研究会などは検証作業を行っていません。国は被害者への320万円の一時金支給を決めましたが、既にカルテが廃棄されている対象者の確認作業に多くの困難があることが報道されています。国は民間の学校法人、医療法人や社会福祉法人には協力要請を行っていません。そもそも国は、この問題を歴史的に検証するプロジェクトチームなど作っていないのです。

いつもながら密度の濃い集会でしたが、とてもわかりやすい内容でした。知的障害福祉にたずさわる私たちが何を学び考える必要があるか、より明確になったと思います。資料あります。ご入用の方は組合まで。(林)
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今回集会に参加されなかった精神障害者権利主張センター絆の山本眞理さんのアピールです。
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