書評・本の紹介

ストライキ2.0 ブラック企業と闘う武器

9784087211153
◆日本人の知らないところで、ストライキが進化していた!◆

佐野サービスエリアのスト、保育士の一斉退職、東京駅の自販機補充スト……。
1970年代をピークに減少した日本のストだが、2010年代後半から再び盛り上がりを見せている。
しかも、かつての「国鉄スト」などと違い、これらにはネット世論も好意的だ。
実は産業構造の転換により、日本でもストが起きやすい土壌が生まれていたのである。
現代日本でストが普通に行われるようになれば、ブラック企業への有効な圧力となることは間違いない。
一方、海外では現在まで一貫してストが起きている。
特にアメリカでは、「2018年はストの年」といってよいほど頻発した。
しかも【教師が貧困家庭への公的支出増額を訴える】、【AI・アルゴリズムの透明化を求める】、【性暴力を防ぐ職場環境を要求する】など「社会問題の解決」を訴える「新しいストライキ」が海外では行われ始めている。
このように、ストはアップデートし、もはや賃上げ要求だけを求めるものではなくなっている。
こうした新しい潮流を紹介し、日本社会を変える道筋を示す。

特集「人材確保の工夫」 さぽーと 2021.8月号 日本知的障害者福祉協会

さぽーと8月特集「人材確保の工夫」
さぽーと 2021.8月号
日本知的障害者福祉協会

人材確保が特集される背景には、介護・福祉分野の深刻な人手不足があります。最初の論文「福祉現場での人材確保の課題と展望」では、人手不足の現状やその背景など問題状況の概観が記されています。解決策には真先に従事者の待遇改善が挙げられているように、低賃金を前提とした福祉従事者を軽んじる政策では質の向上などありえません。

事業所側の論文「人を大切にする人材確保の視点」には、職員の子育て支援や有給休暇取得率の向上や、スタッフのコミュニケーションスペースを作ったり、地域の高校生向けに給付型の奨学金制度を設けるなどの工夫が紹介されています。職員のお話し会やクリスマス会やバンド練習に使っていた厚生棟を無くした日の出福祉園とは真逆の試みです。

「外国人介護福祉士の受入れについて」、「しょうがいのある方々の採用は当たり前のこと」という論文も必読です。東社協知的発達障害部会では人材確保の特別委員会も立ち上がっています。当初は介護分野のように外国人労働者の受入れを検討する必要性が言われていましたが、既に特定技能実習生を受け入れた法人もあるようです。

事業者が外国人労働者を雇用する際には一定の準備と配慮が必要です。合理的配慮が求められる障害者雇用も同様です。それには事業所側の職員に労働関係法規や障害者権利条約をはじめとする障害福祉関係法規への理解が必要です。また、採用後のしっかりした研修体制が絶対的な必要条件です。研修委員会が無くなり、異業種から転職してきた新人職員や派遣職員に基礎的研修を全く行わない現在の日の出福祉園では、外国人労働者の採用や障害者雇用の拡大などはとても無理だと言わざるをえません。(林)

増補新版 風よ鳳仙花の歌をはこべ

ほうせんか

ヤングケアラー問題を知っていますか?  手をつなぐ 2021.8月

手をつなぐ2021.8
ヤングケアラー問題を知っていますか?
手をつなぐ 2021.8月
全国手をつなぐ育成会連合会

「手をつなぐ」には兄弟姉妹への支援についての特集はありましたが、ヤングケアラーとして取り上げられたのは初めてではないでしょうか。社会の構造的な問題によってケアラーとならざるをえない子どもの問題は、地域福祉、地域医療、労働問題、貧困や生活困窮など、従来の家族支援の範疇よりも幅広い社会的視野が求められるでしょう。体調不良の親を心配する障害を持つ子どもへの支援についての報告もあります。またヤングケアラーへの支援が制度化されていない現状に対して具体的な支援策を提示する論文、ヤングケアラー問題を児童労働問題としてとらえる論文も掲載されています。

知的障害福祉研究と銘打った日本知的障害者福祉協会機関誌「さぽーと」のように、主に入所施設を中心とした支援者側の立場から知的障害福祉を考えるのとは逆に、社会全体から主に知的障害を持つ人の生活や問題を考える「手をつなぐ」の方が、知的障害者が置かれた状況の問題の本質に迫っていると思います。いったい、専門性って何だろうと考えさせられます。専門タコつぼという言葉がありますが、つぼにはまり込んだら周りは見えません。特に入所施設で働く私たちは、目の前の利用者さんしか見ないようでは社会福祉の仕事はできません。

同愛会東京事業本部の「東京一幸せなるよりどころ」というスローガンなどソーシャルワークの観点からすれば論外なのです。「手をつなぐ」の多様な視点に学ばされます。(林)

8.22 ヤングケアラー1
8.22 ヤングケアラー2

特集「知的障害のある方の尊厳を守る」 さぽーと2021.7月号

さぽーと2020.7表紙特集「知的障害のある方の尊厳を守る」
さぽーと2021.7月号
日本知的障害者福祉協会

今号も読み応えのある特集です。1.障害者権利条約は支援現場をどう変えてきたのか―成果と課題―、2.成年後見制度の実態と限界、3.支援現場から知的障害のある人の尊厳を考える―「行動」を「声」に変換する支援-、4.奪われてきた言葉を取り戻す過程としての当事者運動と大変興味深い4本の論文が掲載されています。
1には、権利条約が定める政治や公的活動への参加について問題提起され、2には現行の成年後見制度が障害者権利条約違反だと明確に記されています。当事者の意思や気持ちをどのように尊重されるのかを3は支援者サイドから、4は当事者運動サイドから述べています。4の執筆者渡邉琢氏やピープルファースト京都のメンバーさんたちは2020年2月号にも登場していました。

障害者の政治や公的活動の保障は公民権や市民権の問題として重要です。同様に、労働場面においては労働基本権(団結権、団体交渉権、団体行動権)の保障が重要です。しかし、それを障害者の尊厳の問題として明確に主張する論文を私は見たことがありません。

障害者権利条約第27条 労働及び雇用
(c) 障害者が他の者との平等を基礎として労働及び労働組合についての権利を行使することができることを確保すること。

就B事業所や中間的就労で働く障害当事者の問題はさておき、雇用型である就A事業所で働く「利用者」さんは明確に「労働者」です。私たち支援者は権利条約27条を意識しているでしょうか?その前に、支援者には労働組合についての知識と経験があるでしょうか?障害当事者の政治・公的活動の保障に支援者側の政治的、社会的教養が問われるのと同様に、障害当事者の労働の保障には支援者側の労働に関する教養が問われます。連合って何?合同労組って何?労働組合って怖い、自分とは関係ない、では社会福祉の仕事はできません。これまでもディーセントワークを特集してきたさぽーとには、ぜひ障害者の労働問題を特集してほしいと思います。(林)
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