書評・本の紹介

第59回全国知的障害福祉関係職員研究大会ー山梨大会ー さぽーと2024.2月号

第59回全国知的障害福祉関係職員研究大会ー山梨大会ー 
さぽーと2024.2月号 日本知的障害者福祉協会

20240217111110392_0001大会に参加した他法人職員の方がNPO法人抱樸の奥田知志理事長の基調講演がとても良かったと言っていました。「伴走型支援」は、今や路上生活者支援に限らずソーシャルワークの様々な場面で一般化しているようですが、入所施設を中心とした知的障害者福祉分野ではまだなじみの薄い用語です。その入所施設のあり方について、同愛会理事長高山和彦氏が第1 分科会の障害者支援施設部会(日中活動)で登壇、発言しています。

実践報告セッションでは、「高山氏からは、法人の理念『人生(存在)への支援・援助』の下、障害当事者運動を支援することを使命として取り組んできた入所施設てらん広場の開設から脱施設への取り組み、また当事者運動「ピープルファースト横浜」の活動が紹介された。施設には「共に育つ場」「発達保障」「障害教育機能」があり、障害がある人が自立した営みを行うための運動が施設であり、真に必要な施設とは何かを自らに問いかけていかなくてはならない。支援者自らがそこで暮らしたいと思える施設の実現と「施設はもういらない」と言われる社会を目指せば良いとの話しがあった。」
いったい何が言いたいのかよくわからない文章ですが、これは要約した編集者の責任ではなく発言者の問題でしょう。文の主語が不明確で、いかにも高山氏らしい物言いだからです。

パネルディスカッションでは助言者として、「結びに、高山氏からは”観察は愛”である。障害の重い人ほど自分の意思を態度で表明している。食事・入浴・排泄などの生活の介護だけを支援すればいいのではない。非言語性の傾聴・利用者の心の中にある世界をしっかり受け止めることが支援の本質であるというメッセージをいただいた。」とあります。これはこれでごもっともです。しかし、そんな立派なことを助言する高山氏は、なぜ同愛会横浜事業部の虐待事件を東京事業本部に説明しないのでしょうか?横浜事業部では川崎エリアも含めて高山理事長自らが登場した説明会がオンラインで配信されました。しかし、東京事業部本部内の事業所にはいまだに何の説明もないのです。

ビックモーターを例に考えてみましょう。ビックモーターの北海道の事業所だけに自社の数々の不正、違法行為が報告されないなんてことはありません。同愛会は社会福祉法人でありながら、営利企業のビックモーターよりも閉鎖的な組織運営になっているのではないでしょうか?理事長高山和彦は全国大会で立派なことを言う前に、まずもって自分の法人でまともな運営を行うべきです。さもなければ、高山氏の言葉を聴いた大会参加者を裏切っていることになるでしょう。理事長高山和彦よ、恥を知れ!(林)
全国大会バナー999

介護異次元崩壊 週刊東洋経済 2024.2/17

介護異次元崩壊    
週刊東洋経済2024.2/17

この4月に控えている
診療報酬、介護保険、障害サービスの報酬同時改定を前に、介護保険の危機的状況が多く報道されています。
人材不足が深刻な中、なぜ介護の基本報酬が引き下げられるのか?
週刊東洋経済は、約20年前の障害者自立支援法制定時もその問題点を特集しました。今号では人手不足の悲惨な現場、介護労働者の劣悪な労働条件、頻発する高齢者虐待、精神科での身体拘束の増加や、介護保険だけではなく、障害者サービスである重度訪問介護の問題も指摘しています。さらには介護ビジネスの問題も取り上げています。「人手不足につけ込んで荒稼ぎ 介護保険料が人材紹介会社に流れる」の記事にあるように、障害サービスも全く同じ状況にあります。しかも、障害サービスの財源は医療や介護サービスのような保険方式ではなく租税方式です。私たちが払っている税金がそのまま人材紹介・派遣会社に流れる状況は、福祉事業の利権構造を形成させます。福祉事業所側と人材紹介・派遣会社との癒着がないか、自分の働く職場が幹部と業者の利権と化していないか、納税者であり、福祉従事者である私たちひとりひとりが目を光らせる必要があるのです。多角的な視点で介護・福祉の問題を特集した本号は、職員研修のテキストにすべきものだと思います。(林)
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福祉労働者の善意を利用して、お金の話しをしにくい雰囲気があります。

★新刊のご案内 みんな、知っておこう! 障害者権利条約 総括所見のポイント解説 総括所見の分かりやすい解説冊子です!

季刊 福祉労働 175号 2023 Autumn/Winter

季刊 福祉労働 175号 2023 Autumn/Winter
現代書館

「重度訪問介護ヘルパーの労働裁判ー岐路に立つ自立生活運動」と言う記事に、三多摩合同労働組合幹福祉会分会の裁判闘争について記されています。ぜひご覧ください。
http://nkl3.livedoor.blog/archives/23420916.html
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