さぽーと8月号さぽーと 2020.8月号
日本知的障害者福祉協会

さぽーと8月号の特集「おもいを聴く」には成年後見制度利用促進基本計画についてという弁護士の方が書いた記事があります。日弁連も利用促進法制定に積極的でしたが、支援付き意思決定をぬきにした代理決定である「後見」類型は障害者権利条約違反であるという指摘が、障害者団体からなされてきました。記事は国連障害者権利委員会の日本政府への事前質問も紹介して、今後国連から厳しい勧告を日本政府が受けるであろうこと、現行の成年後見制度を改正せずに運用改善するだけでは権利条約違反となるであろうことを指摘しています。

SEMINERは優生思想と現代ー強制不妊手術から考えるー。旧優生保護法での強制不妊手術は医師、看護師などの医療職や行政関係者だけでなく、児童委員や民生委員、福祉関係者、親の会、医療福祉学術・職能団体、学校関係者など、多くの人が関与しているでしょう。近藤益雄のような障害児教育・福祉の大家ですら、強制不妊手術を是としていた時代が長く続いていました。全国手をつなぐ育成会連合会は自らの組織的関与について第三者委員による検証を行い、結果とそれを受けた育成会連合会の意見表明を公表しています。検証会には、日の出福祉園の人権研修でおなじみの関哉直人弁護士がメンバーでした。関哉弁護士は優生保護法東京訴訟の弁護団長でもあります。日の出福祉園の人権研修は昨年度から開催できていません。私たちは人権研修を聴講して終わりではありません。社会問題に目を向けなければ福祉の仕事はできません。コロナ感染症のために今年度の人権研修も開催が危ぶまれます。来月号に続編があるようですので、社会福祉を担う者としての責任をもって、続編もぜひ読みましょう!(林)