f2feefc8医療観察法を廃止しよう!全国集会

基調講演で池原毅和弁護士は、医療観察法の状況は早期退院もある一方で自殺者や再入院が起こっているなどの二極化が進んでいる、また北海道で刑務所内に医療観察法治療病棟が建設されれば、医療観察法がいよいよ医療の建前を捨てて再犯防止のための刑事施設になると、障害者権利条約との矛盾を指摘しました。

石塚伸一さん(龍谷大犯罪学研究センター)の講演では、医療観察法の現状、無期受刑者の現状、再犯防止法の現状、法制審議会での刑罰制度の見直し、国際的な動向も併せて説明され、特に再犯防止をめぐる日本の刑事政策がどのような方向に向かっているのかが総括的に語られました。また、世界的に映画「マイノリティレポート」のような状況になっているという指摘もありました。

612edc8f当事者の報告は、措置入院解除後に保健師の家庭訪問を強制されたという経験でした。石塚さんは、専門職は善意でおせっかいをしてしまう、支援者は「分別ある隣人」であるべき、知らないで済むことを聞かないマインドをどう作っていくかが支援者の課題だと語りました。他にも在宅生活で受ける差別や警察との付き合い方等々、会場から当事者の質問が活発に出されました。

リレートークでは精神障害者権利主張センター、大阪精神医療人権センター、全国精神病院労働組合協議会から報告がありました。兵庫県精神障害者連絡会の高見元博さんは、善意で満ち溢れた役人や専門家の管理監督ではなく当事者と一般市民との関りをどう作るかが重要だと述べました。

今回も中身の濃い、気づかされることの多い集会でした。医療観察法は知的・発達障害福祉に無関係ではないどころか、大きく関係しています。
知的障害福祉に携わる私たちもしっかり学んでいきましょう!(林)

これまでの集会

2018年