心の健康を考える講演会 立川麦の会
「障害者権利条約と意思決定支援」
講師:柴田洋弥 201510.24 立川アイム

意思決定支援といっても、目の前の利用者さんは意思表示をはっきりできる人じゃないし、どうしていいのかわからない…

そもそも自分の自由意思で利用契約を結んだわけではない重度の知的障害をもつ利用者さんたち。言葉で自分の意思を表現できない人がたくさんいます。

それを言い出したら支援が成立しない、本当のところはわからないから支援者があれこれと試行錯誤するしかない…

その通りだと思いますし、実際に支援者は創意工夫を重ねて様々な苦闘を重ねています。

でも、本当にそれは利用者が望んでいることなのか?
障害者権利条約では、その実に難しい問題が問われます。権利条約の水準からすれば、支援者が試行錯誤するしかない、だけでは片づけられないのです。

講演では今年9月の社会保障審議会障害者部会の意思決定支援ガイドライン案が紹介されました。もっとはっきりした形が来年1月には発表されるとのこと。そこには、利用者の意思決定支援に一定の手続的要件が設けられるのでしょうか?それがなければ、利用者のためという名目で、その実、支援者中心の支援がなされるのを防止する手立てはないような気もします。しかし、現実的にはどういう手続きが考えられるか、またその現実的可能性は?が気になります。

障害者権利条約の下では、現行の成年後見制度のあり方も問題となります。
公民権を剥奪していた旧禁治産者制度に代わるものとして作られた成年後見制度ですが、障害者権利条約の水準からすれば、それもまた人権保障の観点から否定されるのです。「障害者権利条約と強制入院制度~障害者権利条約12条 法的能力をめぐって」

しかし、現実に自力で意思決定できない人は、代行決定という形を取らざるをえません。手をつなぐ2015年8月号、9月号―その2 イギリスの意思決定支援 には、イギリスのレポートがありましたが、柴田氏は障害者権利条約ではイギリスのあり方も問題があると言います。では、どういう形がいいのか?講演では柴田氏の成年後見制度の根本的改革案も紹介されました。

大変難しい問題です。特に医療との関係や自死をめぐる問題は、本人の「選好」よりも「最善の利益」という目的で代行決定がなされなければいけない場面もあるのではないかと思いました。

資料、録音あります。大きな関心をもって組合にご連絡を。(ジジ

追記:
意思決定支援が重要となる局面は、被疑者の警察での取り調べにおいてです。
取り調べる側の予断や誘導が知的障害のある被疑者の意思を容易に歪曲してしまうことを考えれば、意思決定支援は触法障害者の入口支援においても求められると思います。入口支援における意思決定支援について、もっともっと議論されてもいいのではないでしょうか?