精神障害者の差別・隔離強化を打ち破ろう!
基調報告で池原毅和弁護士は、いくつかの具体的ケースを差し障りのない範囲で示しました。いつものように統計的な資料にもとづいた話ではありませんでしたが、一般の刑事事件と違って当事者にとって先の見えない医療観察法の処遇がいかに不条理なものなのか、あらためて感じさせられたお話でした。
井上芳保さん(日本社会臨床学会運営委員、前札幌学院大学教授)の講演「精神医療を脱制度化した社会の構想-精神科病院をなくしたイタリアの実例から考える」で特に印象深かったのは、みんなが「降りていく」社会はいかにして可能かという問題設定のなかで、これからの行き方への展望として「男の沽券の解体」や「いったい何のために生きているのという問いに立ち返る」ことが提起されていたことです。降りていく生き方というのはべてるの家のキーワードですが、井上さんは精神科病院をなくしたイタリアの精神科医バザーリアの実践と北海道浦河のべてるの家との共通性を述べています。
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