2020年11月

都労委令和2年不第83号不当労働行為救済申立事件 第2回調査を受けた和解案の提案

12月17日に予定されている都労委令和2年不第83号不当労働行為救済申立事件第3回調査に向けて、組合が送った準備書面(3)です。
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準備書面(3)
 
第2回調査を受けた和解案の提案

2020年11月17日の東京都労働委員会第2回調査を受けて、組合は本件の早期終結に向けて和解案を東京都労働委員会と社会福祉法人同愛会に提示する。別紙の和解協定書案と職員周知案文を参照されたい。和解にあたっての組合の基本的な考えは、準備書面(2)で示した通りである。

1.法人文書「契約職員(社会保険加入)のソウェルクラブ加入について」の実施の完了を確認すること
2.法人が労使対等原則にもとづく労使関係を構築する姿勢を表明すること
3.それを全職員に周知すること

和解での終結では、不当労働行為の有無について都労委審問での判断は示されない。法人の労使合意不履行が不当労働行為にあたるという組合の主張に変わりはない。法人もまた、答弁書で組合の申立てた事実関係を概ね認めている。すでに法人は組合へ謝罪をしていることから、和解にあたっては組合への新たな謝罪を求めない。
しかし、法人は、第36回労使合意不履行により1年以上もソウェルクラブに加入できなかった西多摩事業部の契約職員の不利益待遇について使用者としての責任を有している。法人の不作為によって不利益を被った契約職員への謝罪がなければ、法人の謝罪は単なる組合対策であり、法人が非正規職員を軽視していることを公言するに等しい。

準備書面(2)に記したように、組合は10月15日に全国福祉保育労神奈川県本部てらん広場分会と働き方改革関連法施行に関する公開質問状を法人に共同提出した。法人の回答はなく、両組合は11月4日に回答要求書を提出した。11月13日にようやく法人は回答したが、質問項目への具体的な内容は全く示さなかった※⑪。両組合は、11月12日に合同団体交渉の開催を法人に申し入れた※⑫が、11月18日に法人は合同団体交渉の開催に応じないという回答※⑬を行った。さらに同日、東京事業本部から組合に対して「団体交渉開催要求(2020年11月12日付)に対する回答」※⑭という文書が寄せられた。文書には11月12日の合同団体交渉開催要求項目と異なり、東京事業本部の就業規則に関する内容が記されていた。働き方改革関連法施行にともなう東京事業本部の就業規則変更案の協議は懸案事項となっているが、11月12日に組合が東京事業本部へ団体交渉開催を要求した事実はない。あくまで合同団体交渉の開催を忌避する法人本部の意向に沿うために、ありもしない組合の団体交渉開催要求書に回答した形の文書であった。両組合は、11月24日に抗議と再度の合同団体交渉開催を法人に申し入れた※⑮。法人は、組合の架空の団体交渉開催要求書に回答するような自作自演など行わず、法令を遵守し、労働組合からの団体交渉開催要求に対して応諾義務と誠実交渉義務を果たさなければならない。

法人は、契約職員を含めた全職員の労働条件に対して法令遵守の義務と責任を有していることを認識し、労働組合と建設的な関係を構築する責任を有していることを組合との間で共通認識を持つ必要がある。それ抜きでは、職員への説明責任を果たさない法人の労務管理は改まらず、労働組合との信頼関係など成立しようがない。
したがって、準備書面(2)で示した3条件に加え、和解協定書案には新たに2点を付け加える。公金で運営される社会福祉法人として健全な運営姿勢を広く社会に示すためにも、組合が提案する和解協定書案を謙虚に受け止めることを、組合は切に望むものである。

※番号は書証番号
以上

[職場闘争]第11回団交報告 part 2 【番外編】 〜労働者は通販商品ではない/Noと言えない、Yes Man養成所〜


第11回団交報告 part 2が長くなった為、関連することではあるが、団交報告の範疇には当てはまらない、当該の思うところを書いてみる。まぁ、気楽に読んで欲しい。…が、大事なことではある。

労働者は通販商品ではない
先ず、協会がこの度の就業規則変更に盛り込んだ(試用期間)の条項に具体的な内容を入れたと言うが、確かに、或る意味具体的であるものの、配布された変更案を見て、「小学生でもあるまいに、こんなことができないなら、こんな人物を採用する方がどうかしているし、面接する方にも問題があるだろ」*としか思えない内容で、心底くだらないな…と思ったところだし、団交でもはっきり言った。
それでいて、いざ採用となったら、「協会に適さない」「能力」や「性格」などという理由で採用見送られたり、解雇されたら、労使双方にとって不幸なことだ。

* 因みに、協会事務局職員採用の面接者は常任理事と事務局長である。

労働者の試用期間とは、本採用を前提とした雇用であって、公共職業安定所が行うトライアル雇用とは別物だし、試用期間だからといって労働者は「お試し期間は無料、返品可」などという通販商品ではないのである。 続きを読む →

「知的障害のある方の尊厳を守る ー日本知的障害者福祉協会としての取り組みー」、 優性思想と現代(4)―強制不妊手術から考えるー さぽーと 2020年11月号 日本知的障害者福祉協会

さぽーと11月号オンライン座談会
「知的障害のある方の尊厳を守る
ー日本知的障害者福祉協会としての取り組みー」

優性思想と現代(4)強制不妊手術から考える
さぽーと 2020年11月号 
日本知的障害者福祉協会

11月号は重要なテーマが特集されています。タイトルには「人権」ではなく「尊厳」「尊厳」の方が根源的な表現のような印象もありますが、障害者権利条約の理解促進や人権保障の具体的な制度づくりの必要性を考える立場からすれば、違和感があるかもしれません。とはいえ、座談会では知的障害福祉現場の虐待事件や権利擁護のあり方が熱心に議論されています。サビ管や管理職の研修のあり方や事例の大切さが語られ、研修や事例検討の機会が大きく減少した日の出福祉園には大いに参考になる内容です。

しかし、議論の中身は福祉施設を対象にした対策が中心で、福祉施設で虐待事件や権利侵害が繰り返される原因を社会的文脈で考察する視点はほぼありません。現場の疲弊が語られても、なぜそうなのか社会情勢の分析もありません。知的障害福祉分野に限らず、コロナ感染症以前から福祉現場は人手不足、研修不足、職員の疲弊による退職、利用者虐待が続いていました。国への政策提言が語られても、「この仕事の価値をいかに上げていくか」と抽象的な言葉に終わるのであれば、結局は何も言っていないに等しいのではないでしょうか。政策委員会で権利を守るための具体的提案を現場から行えばよいという発言もありますが、障害者政策委員から知的障害当事者、精神障害当事者がいなくなって久しいのです。(最近はセクハラで訴えられた事業者の政策委員もいます。)知的障害者が発信力にハンデのあることが記されていますが、国の政策委員会から当事者が排除されている事実は議論されていません。福祉施設内の事は具体的でしたが、議論は総じて抽象的。タイトルの「人権」ではなく「尊厳」という言葉に象徴されるような座談会でした。

障害者がどんな社会状況に生きていたかを歴史的に検証している記事は、「優性思想と現代(4)」です。優性保護法の範囲を超えて子宮摘出を推奨した厚生省、禁止されていた子宮へのX線照射の実施、子宮摘出を入所の条件にしたり、手術を研究大会で肯定的に発表した施設、子宮摘出を当然視する専門家や社会への障害当事者団体や弁護士、親の会の抗議行動などが記されています。民主主義国家日本の、背筋が寒くなるような歴史が記されています。

特集の座談会では優生保護法や強制不妊手術には一言も触れられていません。戦後日本の負の歴史と自らの関与を検証することなく、「知的障害のある方の尊厳を守る」ことなどできるはずがはありません。「優性思想と現代」の連載は12月号まで延びたそうです。自らの負の歴史に向き合わない日本知的障害者福祉協会は、私たちの反面教師です。現場で働く私たちはこの事実にしっかりと向き合いましょう。私たちの仕事の意味を考えるために、必ず読みましょう!
(林)
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日本知的障害者福祉協会と優生手術の関わりについて、南部労組・福祉協会のHPに詳細な記事があります。
https://jaidunion.wordpress.com/2018/05/30/about-support-201805-pt1/
https://jaidunion.wordpress.com/2018/06/01/about-support-201805-pt2/

抗議ならびに再度の合同団体交渉開催要求書

抗議ならびに再度の合同団体交渉開催要求書

11月24日本日、法人に提出しました。
合同抗議再要求

[職場闘争]第11回団交報告 part 4 〜お座なりな他団体の“コピペ”の規程で不利益変更は許さない〜

東京南部労働者組合・日本知的障害者福祉協会 BLOG

「情報システムの運用管理に関する規程(案)」について
この度の就業規則変更案に伴い、新しい規程が協会から提案された。それが「情報システムの運用管理に関する規程(案)」である。
突然発表された「情報システムの運用管理に関する規程(案)」(以下、規程案と略)であるが、2020年10月1日の職員会議「事務局調整会議」で初めて職員に提示されたもの。その時、古屋総務課長はコロナ禍で在宅勤務が行われたことによって、協会PCを自宅に持ち帰って業務を行うことになったことから規程整備が必要とのことだったし、本団交でも、太田常任理事も同様のことを言っていた。
しかし、協会は2年以上前から、今回とほぼ同様の規程案を準備していたのは知っていたし、その規程も他団体(どこかの社会福祉協議会等の他団体)からの流用であった。今回の規程案もそれから然程変わっているいる様に思えない。そして、10月の職員会議でも、古屋総務課長は他団体のモデルにしていたと(恥ずかし気もなく)話していた。そして、規程案と一緒に全職員に「同意書」も一緒に配布され、同文書に同意・不同意の意思表示を記載する様にとのことだった。
確かに、この規程案の第21条には、以下の条項が規定されている。

(違反に対する措置)
第21条 本規程への違反が明らかになった場合は、就業規則の定めに従い、違反を行った者に対する処分を行うものとする。

と、労働者への処分規定が新たに設けられていることから、この規程は単なる事務規程ではなく、就業規則と同等の位置付けであり、新たな処分規定が設けられるということは、就業規則・労働条件の不利益変更に他ならない。
この件については、他の職員から意見が出されなかったが、当該は同意書を付していることから、不利益変更を含むということでいいのか?と質問したところ、協会は言葉を濁しつつ「不利益変更とまでは言わないが、少しはそういう面もあって、職員に負担を強いる」と何とも曖昧というか、何か誤魔化そうという思惑が感じられる回答であった。 続きを読む →
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