2017年07月

[閑話休題]『さぽーと』2017年7月号レポート「いのちのバリアフリーをめざして 〜すぎなみ障害者人間ドックの挑戦〜」

『不平等な命-知的障害の人逹の健康調査から-』
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日本知的障害福祉連盟(現・日本発達障害連盟)が1998年に発行した、有馬正高先生編集の『不平等な命-知的障害の人逹の健康調査から-』という調査研究報告(三菱財団研究助成「知的障害をもつ人達のライフステージに応じた保険・医療対策のあり方に関する研究」他)を基に編まれた書籍をご存知だろうか。
一般的な生活習慣病である糖尿病や高血圧症、動脈硬化など、障害の有無にかかわらず“平等”に、中高年が罹りやすい病気であるが、知的障害のある人たちの場合、このような日常的な病気であっても、家族が付き添えず診断や治療が困難であったり、また、医療機関から診療を拒否されたりなどの理由で、手遅れになってしまう事例が散見されることから、健常者とは異なる理由で高率に死亡しているのではないか、果たして、知的障害者は健常者と同様に基本的な生存する権利が保障されているのかを目的として、長く障害者医療に携わってきた有馬正高先生らによる調査研究が此書である。
今から20年前の研究報告書であるが、知的障害者は健常者に比して、有意に死亡率が高く、その死因も突然死が多い。また、診療する病院の受け入れ体制への不信や対応する職員の困難さなど、現在でも左程変わってはいないのではないか。
『さぽーと』2017年7月号のレポートでは、そのような十分とは言えない知的障害のある人への検診機会を確保するための民間法人の取り組みが紹介されている。

軽薄議員も、 謝罪しない人間よりはまだマシではないか

軽薄議員も、
謝罪しない人間よりはまだマシではないか

事件後雲隠れした不倫・「重婚」・ストーカー疑惑の中川議員が初めて公の場で謝罪しました。しかし、「一定のけじめはついた」と議員辞職はせず。

さて、私たちが働く社会福祉法人同愛会東京事業本部ではどうでしょうか?
日の出福祉園の虐待事件を隠蔽して遁走した元日の出福祉園施設長、古山恵治氏も「一定のけじめがついた」と、あちこちで虐待防止研修の講師を務めているのでしょうか?

涙を流して謝罪して見せた中川議員。しかし、古山恵治氏からは日の出福祉園の利用者、職員に対していまだ何の謝罪もありません。(林武文)

日本障害者協議会声明  相模原事件から1年 共に生きる地域社会の実現をめざして

2017年7月26日
NPO法人
日本障害者協議会(JD)
代表 藤井 克徳

 7月26日、あの日から1年が経ちます。19人のかけがえのないいのちを奪い、さらに多くの人たちの心身を傷つけ続けている相模原の津久井やまゆり園での殺傷事件は、私たちにさまざまな問題・課題を突き付けました。この事件を引き起こした背景にある優生思想、障害の重い人たちの暮らしの場のあり方、事件の際の匿名報道……いずれも容易に答えが出ることではありません。だからこそ、この事件を風化させることなく、問い続けていかなくてはならないのです。

 日本障害者協議会(JD)は、日本国憲法施行70年の節目にあたって、7月14日、参議院議員会館で「障害者に生きる価値はないのか!-真に共に生きる地域社会の実現をめざして-」と題する集会を開き、約400名がつどいました。

 盲ろうの障害のある福島智さん(東京大学先端科学研究センター教授)は「『生産に役立たない、障害の重い人はいないほうがいい』という優生思想は、全ての人の否定につながる。47億年前に人間が生まれてきたこと自体が奇跡であり、生産能力があるとかないとかで人の価値に違いはない。すべての人間に存在意義があり価値がある」と講演し、障害をもっていても「生きていてよかった」と思える社会をめざすべきだと強調しました。

 集会の前日には、埼玉県上尾市で障害者施設の送迎車に19歳の青年が6時間も放置され、熱中症でいのちを落としました。佐賀県で、作業所からの帰り道に不審者であると誤認され、複数の警察官による抑え込みで亡くなった安永健太さん(2016年、最高裁が上告を棄却)、駅のホームから転落して亡くなった視覚障害のある人たち、いずれも障害ゆえにいのちを落としました。障害ゆえに少なくないいのちが失われている現実をどのように変えていくのか。社会全体の大きな課題です。

 ところが、相模原事件の再発防止のために「精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対しても支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止策をしっかりと講じる」と安倍総理大臣は第193回国会施政方針で述べ、それに応える形で精神保健福祉法改正が進んでいます。これは、精神障害のある人への差別偏見を助長することになり、看過できません。

 日本国憲法第13条は「すべて国民は、個人として尊重される」とし、幸福追求権を明記しています。さらに、障害者権利条約第17条には「全ての障害者は、他の者との平等を基礎として、その心身がそのままの状態で尊重される権利を有する」と謳っています。すべての人に生きる権利があり、幸福を求める権利があり、だれもそれを犯すことはできないのです。

 今年は日本国憲法施行70年です。私たちは相模原事件が突きつけた問題、課題と向き合い、考えていきます。一人ひとりのいのちが大切にされる共生社会の実現に向けて、多くの仲間とつながりながら、歩み続けます。

倉敷の障害者220人解雇事件について

倉敷の障害者220人解雇事件について

倉敷市議のブログにこの問題が取り上げられています。(林)

あきおの日記

「ともに生きる社会を考える」 7.26神奈川集会アピール ~だれもがその人らしく暮らすことのできる 地域社会の実現にむけて~

「ともに生きる社会を考える」
7.26神奈川集会アピール
~だれもがその人らしく暮らすことのできる
地域社会の実現にむけて~

 「障害者なんていなくなればいい」「障害者は不幸を産み出すことしかできない」という考え方(優生思想)をいだいた元職員により、障害のある人19名の命がうばわれ、27名が傷つけられた津久井やまゆり園事件から一年がたちました。
この一年、なぜこのような事件が起きてしまったのか、津久井やまゆり園をどのような形でつくりなおす必要があるのか、二度とこのような事件を起こさないためには、どのような取り組みが必要なのかを考えてきた一年でした。

今、入所施設にいる人たちやその家族は、はじめから希望して入所施設をえらんだわけではないと思います。地域で暮らしつづけるために必要な支援がえられず、社会からの差別や偏見等に追いつめられ、地域生活が困難になって、やむなく入所施設に入るしかなかったのではないかと思います。
1月26日の集会アピールで、私たちは神奈川県に、本人の意思を確認することなく津久井やまゆり園をつくりなおす計画を進めないでほしいという意見を出しました。自分の意思を言葉にあらわすことが難しい人たちにとって、親や家族の意見を聴くことは大切です。でも親の意見は、かならずしも本人の意向と同じとは限りません。これは障害のない人の場合でも同じです。障害のあるなしにかかわらず、人はさまざまな経験をしながら成長し、いろいろな選択肢の中から自分の希望を選んでいきます。ところが、障害のある人たちは、さまざまなことを経験する機会、どのような選択肢があるかを知る機会が少ない環境におかれています。

それでも年月とともに、福祉のあり方や法律なども変わり、地域の中で暮らせる場所やしくみが増えてきています。
いままで地域で暮らすことはできないと思われていた人たちも、地域での暮らしができるかもしれないのです。一人ひとりの意思を確認するためには、地域でのいろいろな暮らし方を体験して、その人にあった暮らし方を選べるようにしていくことが必要です。
その方法について、国は今年の3月末に「意思決定支援ガイドライン」を示しています。ガイドラインでは、どのような時に、どのようなやり方でその人の意思を確認する必要があるか示しています。一人ひとりの意思を、ガイドラインにそって、ていねいに確認していく支援が必要と考えます。
障害のある人たちが自分の暮らし方を、自分で選べる状況になってはじめて、「ともに生きる社会」になったと言えます。神奈川県をあげてそうした取り組みをすすめることこそが、あの恐ろしい事件で奪われ、傷つけられた命を大切にすることにつながるのではないでしょうか。

日本は2014年に「障害者権利条約」をむすびました。「障害者権利条約」というのは、障害のある人たちの権利を守ることについて世界で決めている国際条約です。その人が望めば、自立し、社会に参加する権利があることを示したものです。
その条約の中には、障害のある人一人ひとりが、誰と、どこで、どのように暮らすかを選択することが権利として認められていること、その選択を実現するために必要なサービスを受けられることが書かれています。
入所施設が、障害のある人たちを地域社会から遠ざけてしまう場にならないように、これまでもあり方の検討がおこなわれてきましたが、今まで以上に、そのあり方が問われています。

神奈川県が「ともに生きる社会かながわ憲章」にかかげている「だれもがその人らしく暮らすことのできる地域社会」を実現して、「障害のある人たちとともに生きる」神奈川県をつくる努力をすることが求められています。
ここに集まるすべての関係者、この集会に賛同した多くの人たちが、県民の皆さんと手をたずさえて、それぞれの立場で、いっしょうけんめいに努力することを、ここに誓います。

平成29年7月26日

「ともに生きる社会を考える」7.26神奈川集会参加者・賛同者一同
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