2017年02月

日本知的障害者福祉協会の団体交渉に参加して  その1

日本知的障害者福祉協会の団体交渉に参加して 
その1

去る2月7日、南部労組・福祉協会の第5回団体交渉に書記としてオブザーバー参加しました。その報告と感想です。

〈オブザーバー参加した理由〉
なにより、戦前から続く知的障害者福祉団体のオピニオンリーダー的な存在である日本知的障害者協会が36協定未締結だったことを南部労組・福祉協会の情宣活動で知り、大変驚いたからです。日の出福祉園は福祉協会機関誌「さぽーと」を9部も取っており、毎月各部署に配布しています。私たちの仕事に大切な記事が載っているこの「さぽーと」は、このなんくるブログの書評欄にも何度も取り上げてきました。この「さぽーと」と「手をつなぐ」(全国手をつなぐ育成会連合会)を一年間ていねいに読めば、相当勉強になります。また日の出福祉園には、日本知的障害者福祉協会が主催している知的障害者援助専門員の通信教育を修めた職員もいます。福祉業界は異業種からの転職者がたくさんいますが、そういった方が社会福祉を学ぶために、日本知的障害者福祉協会の役割はとても大きいのです。その福祉協会が36協定未締結、労働者代表も民主的手続きで選出せず。痛ましい電通過労自殺事件以降、「36協定」「残業時間上限規制」などの言葉がさかんにマスコミに取り上げられています。一年前、日の出福祉園では私たちの同僚職員が業務中に脳血管疾患を発症し数日後に亡くなるという悲しい事件がありました。中堅リーダーだったその職員の働き方は、誰が見ても過重なものでした。日本知的障害者福祉協会は過重労働の福祉業界の体質を変えていくために、率先垂範の社会的役割と責任があるのです。

〈団交の感想〉
まず、福祉協会事務局以外の場所で団体交渉が開催されていることが驚きでした。社会福祉法人同愛会とゆにおん同愛会の団体交渉が、どこかのビルの会議室を借りて開催されることはありません。そんなことがあれば、「その会場費支出は無駄じゃないのか?合理的根拠は?」と私たち組合の格好の攻撃材料となってしまいます。法人は交渉以前の段階でそんなトラブルを自ら招くようなことをわざわざしないし、それが真っ当な経営判断でしょう。私には、福祉協会側がわざわざ他のビルの会議室を借りてまで福祉協会内で団体交渉を開催しない理由が分かりません。当たり前ですが、南部労組・福祉協会は福祉協会と無関係な外部の団体ではなく、福祉協会事務局職員で構成されています。これでは福祉協会が労働組合を忌避して誠実に交渉に応じない姿勢を、世間に印象付けてしまうのではないでしょうか。

二つ目に思ったのは、福祉協会が36協定未締結や労働者代表選出におけるこれまでの間違いや不備を労働組合が指摘した事実を職員に周知しないのは、福祉協会が対等な労使関係を構築しようという姿勢に欠けているのでないかということです。事実経過を明らかにしないということは、労組以外の職員に対しても説明責任を果たさないことになると思います。かつての日の出福祉園も同様でした。移動支援、重度訪問介護不正請求の頃、当時の施設長は「自分がおかしいと思って調べさせて発覚した。組合の指摘とたまたま時期が重なっただけだ。」と団交の席でも発言するような人物でした。その施設長は虐待事件の隠蔽で更迭され、現在の日の出福祉園では、「『組合からの指摘によって』、『組合との話し合いの結果』、○○することになりました。」と現施設長から事実関係が正確に園内メールで周知されます。無用な労使対立を避けるためには、使用者側は労組からの指摘には丁寧かつ誠実に対応することが大切です。(林)

【神奈川県警による不当逮捕を弾劾する緊急声明】

【神奈川県警による不当逮捕を弾劾する緊急声明】

 川崎反ヘイト学生救援会は、ヘイトスピーチに抗議するため行動した学生に対する不当な逮捕に抗議し、新たに声明を公表します。

昨年私たちが発表した声明文にも記載したように、本件の発端となったのは2016年6月5日に川崎で行われた、差別扇動を目的とするデモ行進に対する抗議行動です。近年、外国人の排斥を叫びその生活を脅かす、いわゆるヘイトスピーチは大きな社会問題となり、多数の人々による批判・抗議にさらされてきました。それは在日外国人が多く集住する川崎でも例外ではなく、当日も数百人の市民が抗議に駆け付け、デモは行政指導の下で未然に中止されるに至ったことは周知のとおりです。
 
 しかしデモから6ケ月後、神奈川県警によって抗議行動に参加していた学生の居宅へ、「器物損壊」なる容疑を根拠とした家宅捜索が執行され、さらに捜索から2カ月以上が経過した2017年2月21日、当該学生が逮捕されるに至りました。つまり、今回の逮捕は昨年6月5日の川崎デモから約9ヶ月もの期間が経過してから強行されたものです。
 
当該学生はデモの当日、マイノリティを標的とする卑劣なヘイトスピーチを許すことはできないという純然たる動機から、きわめて穏当な形で抗議行動に参加していたにすぎず、他人の物を損壊した事実は一切存在しません。加えて、本件の捜査はデモ行進の参加者側が提出した被害届に基づくものですが、かかる被害届の提出は、ヘイトスピーチを内容とするデモを全国各地で主催してきた在特会(在日特権を許さない市民の会)の事実上の後継団体と目される日本第一党最高顧問、瀬戸弘幸の積極的な指導の下で組織だって行われ、本件以外にも多数の被害届が乱発されたことも明らかとなっています。
 
 以上の事実に鑑みれば、デモ参加者側が主張する「被害」は、政治的な動機に基づく虚偽に等しいものであるとの批判は免れないでしょう。差別主義者の言いがかりに等しい主張を鵜呑みにする形で家宅捜索を執行し、挙句の果てに供述調書を書き上げるために無実の人間を拘束するという神奈川県警の行動は許されるものではありません。付言すれば、そもそも当該学生が川崎デモ後の9か月間、平常通りの学生生活を送っており、かつ今回の逮捕が本人の通学路上で行われたことを考慮すれば、本人が罪証を隠滅したり、逃亡を企てたりする理由もなく、身体拘束を及ぼす必要性にも全く欠けています。したがって本件の逮捕はまさしく冤罪による人権侵害と断ずる以外にはなく、絶対に許されるものではないと考えます。

 また、おりしも川崎でのデモは通称「ヘイトスピーチ解消法」が施行された直後のことでした。同法は、先に述べたような在日外国人を執拗に標的とする差別、排外主義を許さないという社会の声の高まりの象徴です。川崎をはじめとした地方自治体においても、世論を受けてヘイトスピーチを抑止し、外国人との共生を目指す取り組みが続けられてきています。こうした人々の真摯な努力を見るにつけ、私たちは警察のヘイトスピーチ問題に対する姿勢を指弾せざるを得ません。川崎デモ以前のヘイトスピーチに対する街頭抗議行動でも、抗議参加者への過剰警備などの問題から、警察はその立場を問われてきました。とりわけ本件のデモ参加者の虚偽の言い分に基づく神奈川県警の行動は、客観的に見れば差別主義者の政治活動を黙示に支持し、これをほう助するものに他なりません。

上記の理由から私たちは神奈川県警による不当逮捕に断固抗議し、当該学生の釈放を求めて行動します。ヘイトスピーチに反対する方々におかれましては、救援会にご注目、ご支援いただけるようお願いします。
                   
2017年2月22日 川崎反ヘイト学生救援会

みんな #保育園に入りたい! 子ども子育て予算にプラス1.4兆円追加して、待機児童を解消してください

 今、保活中の親は怒っています。一方で、保活を終えた親たちは、長年変わらない国の保育政策を放置しておいたことを反省し、声をあげて行こうと立ち上がりました。
後輩たちにこの怒りを、これから子どもを産む人たちに味わってほしくない。
そしてこのパワーを、ちゃんと社会を変える力にしていきたい。
 だから、みなさんの思いをこのキャンペーンに集めて、国や自治体の子育て政策を行う人たちに届けませんか?
----------------------------------------------------------------------
昨年「保育園落ちた日本死ね」ブログをきっかけに大きな注目を浴びた待機児童問題ですが、1年経っても、残念ながら状況は変わっていません。
 わたしたちは武蔵野市を中心に、待機児童の問題に取り組んできた保護者です。4年連続不承諾通知を受け取っている親や、兄弟が別々の園にしか入れず、送り届けるだけで1時間かかっている親もいます。
 わたしたちは2月初めから、保育園問題を可視化する目的で「#保育園に入りたい」の言葉と共に、ソーシャルメディア上で、不承諾通知(保留通知)の写真や、保育園に落ちたつらい思い、出口の見えない保活への不安を共有する呼びかけをしました。すると「両親ともフルタイム正社員でも入れない」、「保育園に入れず、仕事を辞めるしかない」、「地方都市だから入れると思ったのに、入れない」・・・東京に限らず、全国各地から、多くの怒り、悲しみ、不安、そして悲鳴にも似た声があふれました。
 パートタイムやフリーランスで働く親からは、保育園に入れる見込みがないため、保育園の申請すらできないという声や、働きたい気持ちがあるのに就労をあきらめている、といった声もあがりました。わたしたちが実施したツイッターのアンケートでは回答した1390票のうち、34%の親が「保育園に入りたいが、申請すらしていない」と答えました。
このような「潜在的待機児童」は、全国にまだ数10万人もいると言われていますが(柴田悠『子育て支援と経済成長』p.155)、自治体の待機児童にカウントされていません。
 更に、専業主婦(夫)として子育てしている親たちも、配偶者の長時間労働や核家族化で、子育ての専門的な知識も得られず、孤独な子育てに追いやられています。故に、子育てのプロに短時間だけでも子どもを預けたい、相談に乗ってもらいたいと思っている親は数多くいます。
しかし今の一時保育はあふれ出た就労者の受け皿になっているため、専業主婦(夫)は数時間の一時保育すら利用できない状況です。
 京都大学の柴田悠准教授によると、潜在的待機児童80万人(2013年時点)の解消には、およそ1.4兆円の追加予算が必要となるそうです(『子育て支援と経済成長』p.163)。この1.4兆円は、子ども国債の発行や消費税1%の増税などで十分に実現可能な規模です。
これだけの予算があれば、女性の労働力率、合計特殊出生率、労働生産性成長率、経済成長率が上昇し、子どもの貧困率、自殺率が改善される見込みがあるのです(同書)。
今こそ、待機児童解消が必要です。
今こそ、子育て支援が日本を救うのです。
だから、わたしたちは政府に求めます。
「子ども子育て予算にプラス1.4兆円追加して、待機児童を解消してください。」
 賛同者の署名は以下の宛先へ届けられます
安倍晋三内閣総理大臣
塩崎恭久厚生労働大臣

心神喪失者等医療観察法国賠訴訟  初めての被害者の国賠訴訟

全国「精神病」者集団HPより

 医療扶助・人権ネットワークの「医療観察法入院補償弁護団」は、この2月13日に、鑑定入院についての国家賠償請求訴訟(医療観察法入院補償訴訟)を提起しました。報道関係者・医療関係者の皆さんには是非関心を持っていただきたい事件です。
 なお、報道関係者の方々には、下記6の連絡先にご連絡をいただければ、本件のご説明を致します。
1 はじめに
 医療扶助・人権ネットワークは、2017年2月13日、精神遅滞及び広汎性発達障害という診断を受けており、医療的な治療の可能性がないのに、医療観察法に基づく鑑定入院によって58日間も精神科病院に収容された方を原告として、国に対し、330万円(慰謝料300万円+弁護士費用30万円)の賠償を求める国家賠償請求を提起しましたので、ご報告いたします。

2 事案の概要
 原告は、精神遅滞及び広汎性発達障害の診断を受けている、40代(事件当時)の男性です。
 2011年、原告は、首都圏のある小売店舗の入口付近において、店内に入ろうとする際、すれ違う女性客を押して転倒させ、頭部等を負傷させる事件を起こしました(本件傷害被疑事件)。2012年1月ころには原告の行為であることが特定されていましたが、警察は、原告に責任能力がないと判断し、原告を逮捕しませんでした。その後、なかなか刑事事件の処理が進まず、原告が本件傷害被疑事件で不起訴処分となったのは2013年12月で、事件発生から2年以上経過してからでした。
 法律上、傷害を含む殺人や強盗などの一定の刑事事件を起こした者が、責任能力がないことを理由とし不起訴処分となった場合には、医療観察法の適用がありえます。同法が適用される場合には、不起訴処分がなされた後、①検察官による当初審判申立(医療観察法33条1項)⇒②鑑定入院質問(34条2項)⇒③鑑定入院命令(34条1項)⇒④当初審判(39条)⇒⑤入院等の決定(42条)、という手続へ進むのが一般的です。
 2013年12月に原告に対する不起訴処分がなされたことを受け、同年12月19日、検察官は、裁判所に対し、当初審判の申立(上記①)を行いました。そして、同日、裁判所は、鑑定入院質問の期日を開いたうえで(上記②)、原告に対して鑑定入院を命じ(上記③)、原告は都内の精神科病院に収容されました。鑑定入院中、原告は精神科医による鑑定を受け、2014年2月4日には裁判所に鑑定書が提出されました。この鑑定書には医療観察法の適用の必要性を否定する意見が記載されていましたが、その後も、漫然と鑑定入院は継続されました。同年2月14日、裁判所において、当初審判が開催され、裁判所は、「医療観察法による医療に関しては、対象者の治療反応性は極めて限定的であるといわざるをえない。」などと判断し、不処遇決定(医療観察法による医療を行わない旨の決定)をして、ようやく、原告の身柄拘束を解きました。

3 本件訴訟の意義
 医療観察法は、その成立過程において「隠れた保安処分ではないか」という強い批判がなされていました。しかし、法務省は、医療観察法の制度目的は社会防衛ではなく、対象者に医療を提供して社会復帰を促進することを目的としていることから、保安処分とは全く異なるものであるという説明をしてきました* 。つまり、医療観察法に基づく不利益処分が正当化されるのは、精神障害者に必要な医療が提供されることによって社会復帰が促進され、精神障害者の福祉の増進につながるからです(医療観察法1条1項)。
 ところが、原告は、精神遅滞と広汎性発達障害という診断を受けており、本来、医療観察法に基づく医療が必要ではない方でした。一般に、精神遅滞や広汎性発達障害の治療は「教育や生活指導」* や「生活の援助」* によるとされており、投薬治療を中心とする医療観察法に基づく医療に適していません(治療可能性がない)。それにもかかわらず、原告は、鑑定入院のために、58日間も精神科病院に収容され、無意味な医療を強制されたのです。
 また、鑑定入院が実施されたのは、傷害事件発生から2年以上経過してからです。これでは、社会復帰の促進にもなりません。
 本件訴訟は、本件鑑定入院によって原告が無意味な医療の強制と社会復帰の妨げという被害を被ったことに鑑み、医療観察法の制度目的から乖離している実務の運用について、その是正を求めるものです。

4 原告が国家賠償を請求する理由
 原告は、訴状で、次のような法律上の問題があることを理由に、国家賠償を請求しています。
⑴ 検察官による当初審判申立の違法性
 検察官は「この法律による医療を受けさせる必要が明らかにないと認める場合を除き」当初審判申立をしなければならないと規定されています(医療観察法33条1項)。訴状では、原告の場合には、病名からみて治療可能性がなく、また2年間社会で平穏に生活していたという実績からみても、「この法律による医療を受けさせる必要が明らかにないと認める場合」に該当し、当初審判申立が許されない場合にあたる、としています。
⑵ 裁判所が鑑定入院を命じたことの違法性
 裁判官は「この法律による医療を受けさせる必要が明らかにないと認める場合を除き」鑑定入院を命じなければならないと規定されています(医療観察法34条1項)。訴状では、前述のとおり、「この法律による医療を受けさせる必要が明らかにないと認める場合」に該当し、鑑定入院命令が許されない場合にあたる、としています。
⑶ 検察官が事件を2年間にわたり放置したことの違法性
 医療観察法は、検察官が当初審判申立をしなければならない期限を定めていません。しかし、事件処理が遅れれば遅れるほど、対象者の社会復帰も遅れることになり、医療観察法の趣旨に合致しません。訴状では、医療観察法の趣旨等からみて、本件のような当初審判申立の遅滞は違法である、としています。
⑷ 不処遇に対する補償の要否
 身体の自由を拘束された者が刑事事件や少年年事件において無罪や不処分を受けた場合には、国家より補償(1日あたり上限1万2500円)を受けることができます(刑事補償法、少年の保護事件に係る補償に関する法律)。しかし、医療観察法の場合には、補償に関する法律が存在せず、何の補償も受けられません。立法過程においても補償の要否が問題となりましたが、政府は、医療観察法の手続が本人の利益になる側面があることなどを理由に、補償は不要であるという立場をとっていました* 。しかしながら、原告にとっては無意味な拘束だったのであり、本人の利益になっていません。訴状では、この補償の欠如は、精神障害者に対する差別的取扱いであるとして、憲法14条1項違反及び障害者権利条約4条1項b違反を問題にしています。

5 最後に(措置入院との関係)
 現在見直しが議論されている措置入院(精神保健福祉法29条1項)は、医療観察法に基づく強制入院とよく似た制度で、その適用範囲の一部が重なり合います。いずれも医療を提供することを目的とする制度ですが、「社会防衛」を理由とした無意味な医療が強制される危険を含んでいます。今回の訴訟は、医療観察法や措置入院に共通する問題である、無意味な医療の強制の是非を問うものです。

6 本件の連絡先
医療扶助・人権ネットワーク
事務局長弁護士 内田  明
(連絡先)
〒160-0004  東京都新宿区四谷3-2-2TRビル7階
マザーシップ法律事務所   TEL 03-5367-5142

A9ニュース No.60

イメージ 1
イメージ 2
プロフィール

人間平等!

最新コメント
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ