第22回障害福祉現場に働く職員の全国交流集会
&第14回全国重症心身障害児者療育研究集会
in 東京 その1
2016.11.26、27
5年ぶりに参加しました。
基調講演は自立支援法違憲訴訟弁護団事務局長の藤岡毅弁護士の「基本合意と改正障害者総合支援法について」。
障害者権利条約が国連で採択された2006年からこの10年間の日本の障害者政策や障害者運動の経緯について、権利条約と国内法との関係、介護保険優先原則と現状、厚労省の描く地域包括ケア、地域共生社会への疑義や懸念などが語られました。学習会「障害福祉と介護保険の関係」と重なる部分もありましたが、今回、藤岡さんはあらためて骨格提言の法制化を強く訴えました。
私は障害者権利条約の国内法への適用範囲について質問しました。やまゆり園事件を受けて、※国が措置入院制度を見直す事が報じられています。もちろんそれは、社会防衛的な観点からの措置入院制度の強化です。措置入院制度を定めている精神保健福祉法。医療法であると同時に「福祉」の名を冠するこの法律は、精神障害者福祉の領域もカバーしています。この法律と障害者権利条約との関係、そして権利条約が精神保健福祉法の改悪に抗する武器になるのかを尋ねました。さらに尋ねたかったのは、権利条約と老人福祉法との関連です。人は誰でも高齢に伴い認知機能、身体機能が低下します。障害の社会モデルに立てば、それらの低下により日常生活の困難さを抱える高齢者は、障害者手帳の有無にかかわらず障害者でもあると言えるからです。
質疑応答の時間がもっと確保されていれば、参加者の学びが深まると思います。進行上時間管理が大変だと思いますが、今後は主催者側にひと工夫お願いしたいと思います。講演の録音、資料あります。
※全国福祉保育労声明「いのちと尊厳が大切にされる社会の実現を」は、措置入院の見直し作業について「それだけでは再発は防止できません」と見直しを是とするかのような表現になっており、この部分に関して私個人はとても問題があると思っています。国の措置入院見直し作業に対して、障害者の権利を守る労働組合の立場から警戒感を表明し、その問題性を社会に広くアピールすべきだったと考えています。
その後、「障害者の住まいを考える」分科会に参加。
兵庫のレポートは、利用者の平均年齢が日の出福祉園より若干上回っている知的障害者入所施設でした。増加するショート希望者への対応に苦慮している状況がひしひしと伝わってきました。地域を支えるためにはショート機能の強化は必要です。どんなに訪問系サービスが整っていても、一時的にどこか宿泊できる場所がなければ家族介護は破綻してしまいます。日の出福祉園の問題でもあるし、日本中の問題です。
夜の交流会では、横浜てらん分会のKさんと再会。同じ同愛会職員として横浜と東京の職場状況について情報交換。また、私が以前働いていた重心施設の職員さんたちとも話ができました。25年前に私がいたグループの「園生さん」たちがみな元気に暮らしていることを聞き、感無量でした。(林)