2016年03月

日の出福祉園障害者差別解消法学習会、ふつうにいきたいくらしたい4.21全国集会

日の出福祉園障害者差別解消法学習会、
ふつうにいきたいくらしたい4.21全国集会

日の出福祉園園内メールで告知されましたが、4月21日に障害者差別解消法の学習会が開催されます。
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別の園内メールでも告知されたように、その日は「ふつうに生きたいくらしたい 障害者権利条約・基本合意・骨格提言の実現をめざす4.21全国集会」が日比谷野外音楽堂で予定されています。障害種別を超えて当事者が全国から集まるこの集会にはデモも予定されています。自立支援法違憲訴訟や日比谷大フォーラムやJDFも知らなかった東京事業本部長はもちろん、できる限り多くの職員が参加して当事者の声を聴いてほしいと思いますが、この日の出福祉園での学習会も大切です。
テキストはさぽーと3月号の特集1と2です。
1障害者差別解消法の概要と支援者の役割
2障害者差別解消法活用の展望

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特に特集2には、障害者虐待防止法と国連障害者権利条約、日本国憲法との関係について説明されています。また、労働関係の差別解消措置は障害者雇用促進法になることも記されています。

東京事業本部全体研修ではネグレクトに近い扱いの障害者権利条約ですが、日の出福祉園では学習会で取り上げられます。障害当事者が集まる全国集会で権利条約を学ぶのも良し、日の出福祉園の学習会で学ぶのも良し。多くの職員が学んでいきましょう。(林)

第24回団交議事録確認

3月31日本日、団交議事録確認作業が終わりました。内容は、速報でお知らせした内容とほぼ同じです。

第24回団体交渉議事録確認書

合意・確認内容
1.労使合意履行状況
①東京事業本部から23区事業部、西多摩事業部が分離改変された理由とそれに伴う人事について保護者会への説明について
→法人は2月14日に説明し、保護者から特に質問はなかったと回答した。
②運営会議議事録の開示について
→法人は12月10日、12月16日、12月25日の3回分は年度内に開示すると回答。組合は1月以降の分に関しては新年度に持ち越しても仕方がないが、早急に開示するように求めた。

2.深夜労働の法定割増分を含んだ現行の夜勤手当を、法定割増分とは別に一回5000円とすること」への法人の回答について
→法人は現状のままと回答した。組合は日の出福祉園以外の事業所に、法定割増分より現行の夜勤手当が下回っている職員がいるのか調べ、次回団交で回答するように求めた。法人は、年度内に該当する職員がいるか調べ、不払いが判明した時点で早急に支給すると回答した。

3.時間給算定根拠について
→法人は住宅手当と家族手当について、支給実態に照らして時間給算定から除外したことを組合に説明し、組合は了承した。組合は団体交渉の継続議題であったにも関わらず、組合との協議なしに東京事業本部が「割増賃金の差額 遡及支給について」の告知を行なったことに対して事前に組合へ連絡するように抗議し、法人は非を認めた。

4.園内メールについて
→組合の催し物に関して園内メールの使用が労使間で合意が得られた。組合はウィルス感染防止のために紙ベースで情報提供し、事務担当者がPDFファイル化してメールに流す。

5.業務中に発症して死亡した職員について、棟職員一人一人に聞き取りを行ってサービス残業実態調査を行なうこと (日の出独自要求)
→第21回団体交渉合意にもとづき労働安全衛生委員会で実施したサービス残業実態調査ではなく、園が実施している死亡した職員に関する実態調査に関して、以下の合意に至った。

・法人は青梅労基署の指導にもとづくものであることを園内メールで周知する。
・法人は3月18日の朝の連絡会でその旨を周知し、全員提出するように求める。
・法人は3月30日の労働安全衛生委員会で青梅労働基準監督署の指導文書のコピーを開示して指摘事項と今後の改善策について説明する。
・法人は日の出福祉園職員全体に上記を説明する。

6.新入職員を4月いっぱいは夜勤に入れず、夜勤に入る際は3回以上のダブル勤務を保証すること (日の出独自要求)
→法人は、入職第2週目から夜勤を開始して3回のダブル勤務を経て独り立ちさせると回答。組合は、去年の何が悪かったのかを労使間で共通認識すべきであり、新人のアセスメント抜きにスケジュールありきでシフトを組んだことが間違いだったと述べた。法人は、夜勤体制についてのスケジュールは原則であり、夜勤開始に至るまで、またダブル勤務の終了まで、新人の業務遂行状況を必ずアセスメントし、場合によってはスケジュールの変更もありうると回答。組合は了承した。
組合は、新人同士を組ませないように、ペアリングの配慮も求め、法人は同意した。
組合は、新人が5月に夜勤の独り立ちする際に、他の部署にもそれを伝えて園全体での共通認識にしておくこと、新人に医務携帯電話番号を知らせていなかった昨年のようなことがないよう緊急時の連絡体制を整えるように求め、法人は同意した。

4月以降の議題
7.当事者雇用の職員への合理的配慮について説明すること (日の出独自要求)
8.派遣職員採用について、法人の現状認識と今後の予定を説明すること (日の出独自要求)
9.「年次有給休暇の取得促進について」取り組み内容の、労使による取得状況のモニタリングと次年度目標設定は4月の実施について。

決算書が理事会承認される6月以降の議題
10.東京地本2016春闘統一要求
(3月17日に組合は統一要求に対する法人文書回答を受け取った。)

次回団交
6月の第1、2、3週で調整。ゴールデンウイーク明けに法人が候補日を提示する。繰り越した議題が、4月、5月の労使懇談会で解決する場合は団交議題より削除。ただし、3月の労働安全衛生委員会の結果次第で、プロシードの労働衛生活動に関して新たに追加議題を申し入れる可能性があることを、組合は法人に告げた。

遊技場立ち入りを理由とした保護停止処分に対する 意見書 生活保護問題対策全国会議


意 見 書

2016年3月9日
別府市長 殿
大分県知事 殿
厚生労働大臣 殿
生活保護支援九州・沖縄ネットワーク
(共同代表)弁護士 永 尾 廣 久
弁護士 椛 島 敏 雅
生活保護問題対策全国会議
(代表幹事)弁護士 尾 藤 廣 喜

第1 意見の趣旨 
1 別府市福祉事務所が,遊技場を訪れていた生活保護利用者25名に対して指導指示を行い,2015年10月5日~30日のうちの5日間に2回以上にわたって遊技場を訪れていた9人に対して行った,生活保護を1~2ヶ月停止する処分(以下「本件処分」という。)は違法である。
2 別府市に対しては,今後,生活保護利用者に対し,遊技場に行かないよう求める指導指示を行わないこと,及び,過去に行った同様の処分も含めて,遊技場への立ち入りを行わないよう求める指導指示への違反を理由とする保護停止処分を速やかに取り消すことを求める。
3 大分県及び厚生労働省に対しては,別府市に対し,上記2の趣旨の指導を行うことを求める。

第2 意見の理由
 1 問題となる事実

新聞報道及び別府市議会インターネット中継によれば,別府市では,生活保護開始時に遊技場に行くのは慎むとする誓約書を生活保護利用者から徴取しており,2015年10月5日ないし30日の間の5日間,市内13のパチンコ店と市営別府競輪場を巡回し,生活保護利用者25人を見つけて市役所に一人ずつ呼び出し,行かないように文書で指導指示した上,調査した5日間で再び見つけた生活保護利用者9人については,支給額の大半を1ヶ月間ないし2ヶ月間停止したとのことである。
また,同市はパチンコ店や競輪場における調査を数十年前から行っており,平成28年3月までに本年度2度目の調査を行うとされている。
上記誓約書提出や調査の根拠について,別府市は,生活保護法(以下「法」という。)60条が「被保護者は,常に,能力に応じて勤労に励み,自ら,健康の保持及び増進に努め,収入,支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り,その他生活の維持及び向上に努めなければならない。」と定めていることを挙げているとのことである。

2 指導指示が違法であること
(1)指導指示の要件を欠くこと

 法27条1項は,「保護の実施機関は,被保護者に対して,生活の維持,向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。」と規定しているが,同条2項は,「前項の指導又は指示は,被保護者の自由を尊重し,必要の最少限度に止めなければならない。」としており,同条3項は,「第一項の規定は,被保護者の意に反して,指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。」と規定している。
 これは,生活保護が,憲法に由来する権利として行われている以上,生活保護利用者の生活に対する干渉は極力抑えなければならないとする理念に基づくものと解される。
 同条の規定に照らせば,指導指示は,①保護の目的達成に必要なものであること,②生活保護利用者の自由を尊重した必要最小限度のものであること,③生活保護利用者の意に反して強制するものでないことが必要であり,これらの要件を欠く場合には違法となる。
 このように,法が,実施機関の裁量に対して多方面からの制約を課している趣旨について,生活保護法の立法担当者(厚生省保護課長)であった小山進次郎は,次のように述べて,安易な指導指示の濫用を強く戒めている。
 「従来,ともすると生活保護を恩恵的,慈恵的とする風潮が社会の各層においてみられたのであって,そのため保護の実施機関側も被保護者の人格を軽視して必要以上の指導,指示を行い,これがために被保護者の全生活分野において好ましからざる影響を与え,被保護者も亦卑屈感に流れ唯々諾々としてこれに盲従するという極めて好ましくない傾向に陥ることがないではなかったが,この点特に注意し,指導,指示が濫用されぬようにする必要があるのである。換言すれば,生存権の保障は,個人の人格権の侵害を許容するものでは決してないのである(「生活保護法の解釈と運用」414頁)」
「(解釈及び運用の如何によって全能的な指示権の行使とならないよう)その行使の目的と共に,内容及び限界を明確に法律において規定し濫用の起こる余地をなからしめたのである。(同前)」

 これを,パチンコ店や競輪場等(以下「遊技場」という。)に行かないことを求める指導指示(以下「本件指導指示」という。)について検討する。
 まず前提として,生活保護費の使途は生活保護利用者の自由に任されている。すなわち,福岡高裁平成10年10月19日判決(中嶋訴訟)は,
「生活保護制度は,被保護者に人間の尊厳にふさわしい生活を保障することを目的としているものであるところ,人間の尊厳にふさわしい生活の根本は,人が自らの生き方ないし生活を自ら決するところにあるのであるから,被保護者は,(略)支給された保護費についても,最低限度の生活保障及び自立の助長といった生活保護法の目的から逸脱しない限り,これを自由に使用することができるものというべきである。」
と判示している(保護費使途自由の原則)。そして,パチンコ店などの遊技場へ出入りする行為は,それが生活保護費の範囲内で,ささやかな楽しみ(娯楽)として行われる限りは,何ら法の目的に反するものではない。したがって,遊技場への立入りを禁じる指導指示は①保護の目的達成に必要であるとは当然にはいえない。
また,本件で別府市が立ち入り調査を行ったパチンコ店は違法賭博場で  はなく,一般市民が適法に自由に遊技を行うことができる店舗であるはずである。市営別府競輪場に至っては,別府市自身が運営している公営ギャンブルである。このような遊技場への立入りは,市民としての日常的な行動であって,生活保護利用者だというだけでこのような市民としての自由を制限することは不合理な差別である。本件指導指示は,②生活保護利用者の自由を尊重した必要最少限度のものとは到底いえないし,③生活保護利用者の意に反して強制する指導指示となっている可能性が高い。

なお,別府市としては,生活保護利用者から保護開始時に遊技場に立ち入らないとの誓約書を徴取していることを根拠に,本件指導指示が生活保護利用者の意に反していないというのかもしれない。しかし,生活保護利用者は誓約書を提出しなければ保護を受けられないと誤解し,真意に反して保護を受けるためにやむを得ず誓約書を提出した可能性も大いにある。そもそも,一般市民は自由に出入りできる適法な遊技場に立ち入らないとの誓約書を徴取すること自体,生活保護利用者の私生活に対して過度の制約を課すものであって著しく不適切である。

(2)文書指導・指示の前提としてのケースワークを欠くこと
 確かに,保護費の全額に近い金員をパチンコ等に費消し,生活の維持ができなくなる生活保護利用者もいないではない。今回の指導指示の対象者にそのような者がいたかどうかは不明であるが,仮にいたとすれば,そのような者に対し,何らかの対策を講じることまで否定されるべきではない。しかし,そうだとしても,いきなり文書による指導指示をして停止を行った今回の処分は違法である。

 すなわち,法27条の趣旨について,小山は,
「(「自由を尊重」の趣旨は)当該被保護者の能力,社会的関係等の具体的事情からみて,その者が人間として存在する上において必要とする人格を確保するに足る自由を維持しつつ,指導,指示に服従し得るものでなければならない。(同前・415頁)」,「その具体的要領を詳細に記載した書面を交付して被保護者に十分に熟知,徹底せしめる必要がある。(同前・416頁)」,「指導,指示は単純にして形式的なものに止めることなく,社会福祉主事等をして被保護者の家庭訪問を励行せしめ,指導,指示の結果を常に具体的に把握してこれを検討し,更によりよき適切,妥当な指導,指示を行うことが必要である。(同前)」
と述べている。つまり,指導指示が形式的にならないよう,当該生活保護利用者の能力や置かれている状況に合わせて,口頭(面談)及び書面の双方によって十分に説明し,できる限り,生活保護利用者が納得して自発的に指導指示に従うよう,最大限の努力をすることを実施機関に求めているのである。

この点,保護の実施要領第9の2もまた,法27条の指導指示について,次のように定めている。
「(3)指導指示を行うにあたっては,必要に応じて,事前に調査,検診命令等を行い状況の把握に努めるとともに本人の能力,健康状態,世帯の事情,地域の慣行等に配慮し,指導指示が形式化することのないよう十分留意すること。」
「(4)法第27条による指導指示は,口頭により直接当該被保護者(略)に対して行うことを原則とするが,これによって目的を達せられなかったとき,または目的を達せられないと認められるとき,及びその他の事由で口頭によりがたいときは,文書による指導指示を行うこととする。」

生活保護は,「ケースワーク付きの金銭給付制度」と言われることがあるが,保護の実施要領をまとめた「生活保護手帳」の冒頭には,「生活保護実施の態度」と題し,福祉事務所職員の基本的な心得として,次のとおり記載されている。
「4 被保護者の立場を理解し,そのよき相談相手となるように努めること。
(略)被保護者の個々についてその性格や環境を把握理解し,それに応じた積極的な援助をたゆまず行うようつとめること。」
「6 被保護者の協力を得られるよう常に配意すること。
(略)法令に定める責務について被保護者が進んでこれを果すよう配意すること。」
法27条の指導指示に関する保護の実施要領の規定(第9の2(3)(4))は,先にも述べたとおり,できる限り生活保護利用者が納得して自発的に指導指示に従い得るように,生活保護利用者が置かれている具体的状況に合わせて,口頭で十分に説明することの重要性を具体化したものである。すなわち,法62条3項に基づく制裁に近づいていく文書による指導指示に先立ち,ケースワーク的な援助と配意をもって,まずは,口頭での指導指示を行うことを求めた。例外的に口頭による指導指示を省略し得る「目的を達せられないと認められるとき」とは,口頭による指導指示に効果がないことが明確である場合を意味すると解されるが,一度も口頭指導を行わずに,そのように断定できる場合は通常は想定し得ない。また,「その他の事由で口頭によりがたいとき」とは,生活保護利用者に聴覚障害があって耳が聞こえない場合や生活保護利用者が面談を拒否するなどして会うことができない場合などが想定される。

 以上のとおり,文書による指導指示の前に,口頭による十分な説明と指導(すなわちケースワーク)を行うことは,法27条の極めて重要な要請であると言える。
 ギャンブル依存症のために遊技場等に入り浸っている生活保護利用者がいたとすれば,そのような者に対して,単に文書で高圧的に遊技場への出入りを禁じても何らの実効性がない。依存症治療のための専門的な医療機関や自助グループにつなげるケースワーク的な口頭の指導こそ必要であることは依存症者への対人援助の常識である。したがって,かかる本人の自発的服従を促す口頭による指導,すなわちケースワークの努力を一切放棄して,文書指導と停止を行った本件処分が違法であることは明らかである。

3 保護停止処分が違法であること
「被保護者の自由を侵害し,必要の最少限度を越えた指導,指示は,保護の実施機関の無権限に基く無効であり,取り消し得べき行為に止まるものではなく,被保護者はこれに従う必要はなく,又その違反の由をもって保護の変更,停止又は廃止の処分をすることはできない(前掲小山・416頁)」。法27条1項に基づく指導指示が違法である場合,その指導又は指示に従わなかったことを理由にされた保護の停止や廃止等の不利益処分は,当然に違法となる。
 上記2で述べたように,本件指導指示は法27条に反し違法であるから,9人の生活保護利用者に対してなされた本件指導指示違反に基づく保護停止処分も違法となる。
 また,実施機関が,法62条3項に基づく制裁権限を発動して,生活保護利用者に対し,保護の変更,停止又は廃止という不利益処分を課す際には,法の一般原則である比例原則が当然に適用され,その意味でも本件停止処分は違法であるから,この点についても念のため付言する。
 すなわち,比例原則には,①手段は目的に適合したものでなければならないという「目的適合性の原則」,②手段は目的達成に必要不可欠なものでなければならないという「必要性の原則」,③目的達成によって得る利益と犠牲(コスト)とを比較して,コストが利益を上回る場合には,目的達成(追求)自体を断念しなければならないという「均衡の原則」という3つの要請が含まれている(稲葉馨・人見剛・村上裕章・前田雅子「行政法・第2版」有斐閣・41頁)。すなわち,科される不利益処分は,指導指示違反の程度や悪質性に適合し,均衡している必要があり,軽微で悪質性を欠く違反に対して,停止や廃止等の重大な不利益処分を科すことは許されないのである。
 この点,実施機関が同法62条3項に基づいて制裁的に保護の変更,停止又は廃止をする場合に拠るべき手順について,実施要領問答第11の1は,次のように規定している。
「1 当該指導指示の内容が比較的軽微な場合は,その実情に応じて適当と認められる限度で保護の変更を行うこと。
2 1によることが適当でない場合は保護を停止することとし,当該被保護者が指導指示に従ったとき,又は事情の変更により指導指示を必要とした事由がなくなったときは,停止を解除すること。
なお,保護を停止した後においても引き続き指導指示に従わないでいる場合には,さらに書面による指導指示を行うこととし,これによってもなお従わない場合は,法62条の規定により所定の手続を経たうえ,保護を廃止すること。」
以上のとおり,問答第11の1が,①当該指導指示の内容が比較的軽微な場合は,その実情に応じて適当と認められる限度で保護の変更を行うこと,②これによることが適当でない場合(つまり,指導指示の内容が軽微とはいえない場合)は保護を停止することとし,保護を停止した後においても引き続き指導指示に従わないでいる場合には,さらに書面による指導指示を行うこととし,これによってもなお従わない場合は,法62条の規定により所定の手続を経たうえ,保護を廃止することとしており,指示内容の軽重,違反態様の悪質性等に応じて,不利益処分の程度を加重していく内容となっているのも,まさしく比例原則のあらわれである。
ここで留意しなければならないのは,指導指示の内容が比較的軽微な場合には,あくまでも①によって「実情に応じて適当と認められる限度で保護の変更を行う」べきとされている点である。生活保護の停止処分が,他に最低生活を維持する収入のない被処分者にとっては生命に危険を及ぼしかねない重大な不利益を被る処分であること,並びに,生活保護の停廃止は憲法及び生活保護法によって無差別平等に認められた生活保護受給権を剥奪する処分であることに鑑みれば,特に厳格に比例関係が要求されなければならず,停止処分を行うには,当該指導指示に従わなければ保護の要件を欠くことになる場合など(例えば,真に保有が容認されず客観的にも容易に売却可能な,高額な資産を売却しないなど),あえて重大な不利益処分を科してまでも是正しなければならない違法状態があることが必要であることはもちろんである。また,例え重大な違法があったとしても,保護停止処分によって被処分者の生命身体に危険が及ぶようなことになってはならないから,その場合には保護変更により対応すべきであって,いきなり停止処分をすることは許されない。
 したがって,当該指導指示が,それに従わなければ保護の要件を欠くことになるなど法の趣旨に照らして重要な指導指示であること,かつ,指導指示違反の態様も悪質であること,さらに,保護停止となっても直ちに被処分者の生命身体に危険が及ばないことが明らかであるという場合に初めて,保護停止処分が許容されると解される。
 しかるところ,本件指導指示は,それに従わなければ保護の要件を欠くことになるような重要な指導指示とはいえない。また,生活保護利用者の行為は,支給された保護費の範囲内で,一般市民が利用を許されている適法なパチンコ店でパチンコを楽しんだに過ぎず,パチンコに使う保護費を追加支給せよと要求したわけではなく,何ら虚偽の申告をしたり,不正の手段を用いたりしたわけでもないのであって,指導指示違反があったとしても,その程度は極めて軽微である。仮に,これを比較的軽微でなかったと解するとしても,生活保護利用者らは,保護の停止によって直ちに困窮状態に陥ることが容易に予想されるのであるから,本件停止処分は,相当性を欠き,法62条3項に反し,違法である(北九州市障害者自動車保有事件に関する福岡地方裁判所平成21年5月29日判決参照)。 

4 仮に弁明の機会が与えられていないとすれば,その点でも違法であること
 新聞報道等からは,9人の生活保護利用者に対して保護停止処分を行うに際し,弁明の機会を与えたのか否かが判然としない。
仮に弁明の機会を与えていないのであれば,停止処分は手続的にも違法である。

5 結語  
 以上のとおり,本件指導指示は法27条の趣旨に反し違法であり,本件停止処分も違法な指導指示違反を根拠とするものであって,かつ保護の要件に関わらない軽微な指導指示違反を理由とするものであるから違法である。
そこで,意見の趣旨記載のとおり,別府市に対しては今後の同様の指導指示の中止と,過去分も含めての停止処分の速やかな取消し,大分県及び厚生労働省に対しては別府市がこれらの措置をとるよう指導することを強く求めるものである。

以上

みんなで止めよう!自衛隊基地配備

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第24回団交議事録確認書案②

3月29日本日、法人より第24回団交議事録確認書案②が組合に提示されました。
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