西多摩事業部の労働安全衛生活動その2
現状は?
日の出福祉園をセンターとして、西多摩事業部で労働衛生活動を一体的に取り組むことが必要な理由は、事業所間の人事異動だけではありません。
秋川ハイムの利用者さんの日中活動の場は、プロシードや日の出福祉園です。ハイムの利用者さんへの主治医の回診や歯科受診、便秘時の処置、予防接種などは日の出福祉園で行われます。プロシードの就労Aの職員や従業員は日の出福祉園で定期的な医療ケアを受けているわけではありませんが、就労Aは日の出福祉園の洗濯業務を受託しているため、就業場所は日の出福祉園です。
日常的、恒常的に日の出福祉園の利用者さんと職員と、ハイム、プロシードの利用者さん、職員とは接触しています。生活、活動範囲が重複しているので、別事業所であってもノロウィルス、インフルエンザ等の感染症対策は共同して取り組む必要があります。発生した場合の事業所間の情報共有も大切です。
しかし、実際はその情報共有がなされず、労働衛生活動上の支障をもたらしているのが現状です。先日も、棟の清掃業務を行うプロシードの妊娠した女性職員に関する情報が、棟の管理者や職員に全く伝えられていませんでした。突然走り出す利用者さんがいる棟もありますし、床のカーペットのはがれが多数あって転倒の危険性の高い棟もあります。お腹の大きな職員は日の出福祉園のそういった場所で就業していました。事業所が違うという理由で労働安全衛生上の事業所間での情報共有がなければ、たいへんな事故にもつながりかねません。
これは事業所間の情報共有以前に、まずプロシードでの労働衛生活動が適切だったのかが問われます。母性保護のために妊産婦を危険業務から外すことが当然に求められます。プロシードの管理者は、就業場所である棟の現状を把握したうえで、職員の就業場所を検討、変更すべきだったでしょう。
プロシード管理者と同愛会東京事業部の組織体制上の問題については、その5で考察する予定です。
労働基準法には産前産後の休業が規定されています。産後6週間は強制ですが、産前6週間は本人の申し出で開始されます。母体と生まれてくる子どもの健康を最大限に考慮して、最善の方法を管理者と職員が話し合うことが必要です。休業中は無給ですが、社会保険や国民健康保険からの給付がありますので、諸制度を本人に情報提供することも大切です。そういったていねいな労働衛生活動がなされたうえで、さらに就業場所である日の出福祉園にその情報が伝えられていなければなりませんでした。 (林)